先日、シャープが資本金1億円に大幅減資を行うとのニュースが報道されました。
1200億円以上ある資本金を1億円に大幅に減資し、累積損失を一掃するためということですが、
理由のもう一つに税制上、中小企業として扱われる優遇措置があることが考えられます。
では、資本金が1億円以下だと、どのような優遇措置があるのでしょうか。
- 留保金課税の不適用
- 軽減税率の適用(年800万円まで15%)
- 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
- 貸倒引当金の法定繰入率の選択
- 欠損金の繰り戻し還付
- 外形標準課税の不適用
- 少額減価償却資産の損金算入
- 試験研究費の特別控除などの税額控除 など。
ただし、平成22年度税制改正により、自社の資本金が1億円以下であっても、
親会社の資本金が5億円以上の100%完全子法人等である場合には、
上記のうち1~5の制度は優遇措置を受けることができませんので、ご注意を。
参照:国税庁HP 資本金等が5億円以上の法人等の100%子法人等における中小企業向け特例措置の不適用について
なお、外資系企業の日本子会社の場合、親会社の資本金の換算は
その事業年度終了時の電信売買相場の仲値により円換算した額となります。
(法基通20-3-14)
資本金が5億円以上の親会社の傘下にある子会社であれば、
その庇護を受けることができるため、実質中小企業ではないということなのでしょう。
自社の資本金だけでなく、親会社の資本金等も含めた資本政策をきちんとしておくことをおすすめします。